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作者の紹介
こんにちはCherryです。趣味で官能小説を書いています。小説のタイトルは【上司と部下の秘密~アブノーマル調教~】です。ジャンルはSMです。過激な内容も含まれますので18歳未満の方はご遠慮ください。
第一章:出会い(2)
綺麗な和モダンの和食居酒屋だった。
その高級な雰囲気にさらに緊張が高まった。
靴を脱いで、掘り炬燵の個室に案内され、席に着いた。
お酒と数品の料理を注文して、
数分後お酒が運ばれてきた。
「とりあえず乾杯」
「…乾杯…」
「少しは落ち着いたか?」
「…最初よりかは….社長はなんでそんなに落ち着いていられるんですか?」
「取り乱しても現状は変わらないからね」
回答が大人すぎる、、
さすが、若くして社長になっただけある。
「…..私はなにも考えられないです」
「誰にも言わないから。大丈夫だよ。
2人だけの”秘密”ってやつ。
松崎さんも俺も、置かれている状況は同じだから」
「たしかに..そうですね」
「俺は松崎さんを信用してるよ。知られたのが松崎さんでよかったとすら思ってるよ」
私は恥ずかしくて顔が赤くなった。
「変な意味じゃなくてね。普段の松崎さんを見てるから」
「もう、それ以上言わないで下さい//変な意味じゃなくても恥ずかしいです…」
「ははっごめんごめん」
社長は目を細めて笑った。
社長が笑ってる、、、
社長は常に冷静で、落ち着いていて、大人な男性というイメージだ。
無駄話もしないし、笑ったところは見たことがない。
でも、社員はみんな怖いとは思っていない。何を考えているかわからない、独特なオーラがある。
「社長の笑ったところ、初めて見ました」
「確かに職場ではあんまり笑わないかもな」
「私のイメージでは鉄仮面ですよ」
「そこまで無表情なのか?」
「良く言えばクールです」
「クールはいい響きだな」
「私は鉄仮面の方が好きですけど」
ふふっ2人で同時に笑みをこぼした。
そうやってたわいもない話をして、食事をして、2人で笑い合った。
「こうやって社長とたわいもない話をしているのも不思議な感じです」
「会社ではあまり私語はしないからね」
「どうして話さないんですか?」
「気を遣われたり、持ち上げられたりが苦手なんだよ」
「じゃあ、気を遣わないでいいですかぁ?」
私は冗談っぽく社長の顔を覗き込みながら言った。
「いいよ。これはパパ活だからね。今は社長じゃなくて鈴木さん」
「鈴木さんって距離ありますね..下の名前啓介(けいすけ)..でしたよね?」
「そう。良く知ってるな」
「社長の名前くらい知ってますよ。じゃあ….啓くんって呼ぼうかな?」
「照れるな」
「啓くんっ」
ふふっ少し照れくさそに笑う社長が
少し愛おしく思えた。
「私も知られたのが、しゃちょ….啓くんでよかったです」
「本当か?」
「無口の鉄仮面ですよ?誰にも言うはずないじゃないですか」
「確かに…そうだな」
2人でクスクス笑い合う。
「私、初めてなんです。結婚してからこうやって男性と会うの。アプリ登録した後、やっぱり怖いし、やめようって思ったんですけど、啓くんはどこか信用できて、会いたいって思ったんです」
「それは嬉しいな。でも、俺も同じ感じだな」
「30分前は知り合いで最悪!って思ってたのに、今は安心感が強くなってきて、社長で良かったのか悪かったのか分からなくなっちゃいました」
私は左耳に髪をかけながらお酒を一口飲んだ。
「お互い良かったって思えるといいな」
「….はい」
「それと、社長じゃなくて、”啓くん”」
「あっ社長って言ってました?」
「言ってたよ」
「案外あだ名、気に入ってません?」
「悪くはないな」
社長はまた照れくさそうに笑った。
その笑顔からなぜか目が離せない。
「それにしても、紗希はおしゃべりなんだな」
紗希…
心臓がドキッとしたのと同時に、顔が赤くなった。
「フェイントの呼び捨て、ずるいですっ…」
「啓くんもだいぶずるいぞ?」
「私は許可を得たのでっ///」
恥ずかしくてお酒をぐびっとのんで誤魔化した。
「紗希って呼んでいいか?」
「…..はい…」
この心臓のドキドキはお酒のせいなのか、なんなのかわからなかった。
女性に慣れてるな、、、
私は何人目なんだろう、、、
12年多く生きてるわけだし、、
今会ってる人が私1人とも限らない、、
気になるけどなんとなく聞けない。
「普段話さないわりに、女性と話すの慣れてるんですね」
「慣れてるつもりはないけど、こう見えて3人娘の父親だからね。1番上は来年大学1年生だよ」
「お子さん、3人もいたんですね」
3人娘のパパ、、、家ではどんな感じなんだろう。想像がつかない。
「若者用語は基本マスターしてるよ」
「啓くんの若者用語想像つかないです」
話それちゃった、、
自分が何人目なのか、今会ってる人が私だけなのか聞きたくて、
お酒のペースが上がる。
「紗希はお酒強いんだな」
「強くはないけど、まぁまぁ飲めます」
お酒の力を借りているとバレたくなかった
から咄嗟に嘘をついてしまった。
本当はすごく弱い。ほろ○いすら一本飲みきれない。お酒を飲んだのも3年ぶりくらいだ。
「俺は弱いんだよ」
「へぇ..意外です」
「一杯で十分だよ」
「啓くんの意外な面を知れてなんだか嬉しいです」
お酒のせいか普段言わないような言葉が口から出てくる。
「….かっこいいことではないけどな」
「ギャップ萌えってやつですよ」
「萌えてるならよしとしよう」
啓くんはお酒を一口飲んだ。
「紗希は結婚前はこういう関係の人はいたのか?」
「……どうしてですか?」
「さっき、”結婚してから”会うの初めてって言ってたから」
さすが社長だ。
人の言葉を見逃さない。
「…..結婚前に1人だけ…バイトの先輩と」
「アプリが初めてってだけで結婚前は会ってたんだな」
あれ、、ちょっとムスっとしてる?
気のせいかな??
私も今が聞くチャンスだ、と思い口を開いた。
「啓くんは…その….今現在、私以外の女性とも会ってるんですか?」
「会ってるわけないだろ。そんなに暇じゃないし、結婚もしてるから複数人は無理だよ」
それを聞いてなぜかホッとした。
私、ホッとしてる、、
きっと遊び人ではないってことが分かったからだ。実際あの社長が遊び人だったらショックだし、、と自分に言い聞かせる。
「そうですよね。ごめんなさい。でも、私だけで嬉しいです」
ホッとして笑み溢れる。
「紗希は素直だな」
「え?」
「動揺したり、落ち込んだり、安心したり、嬉しくなったり、素直な女性は素敵だよ」
素敵、、
何人の女性に言ってきたんだろう、、
「そういうの言い慣れてるんですね」
「全く言わないよ。でも、紗希にはなぜか言える。多分紗希が素直だから、つられてるんだと思う」
「…….じゃあ…私は何人目なんですか?」
ドキドキドキドキ。心臓の音がうるさい。
「2人目だよ」
ズキっ
ズキ?私いま傷ついた??
「…そうなんですね」
「3年前くらい。パパ活ではないけどね。コ◯ナで会わなくなって、そこから音信不通」
それって関係が切れてないってこと?
心がなぜかもやもやする。
「もう、会うことはないよ」
「なんでわかるんですか?」
「俺から連絡しないと連絡が来ることはないから」
「…セフレ….だったんですか?」
「まぁそうだな」
お酒のペースが上がる。
どこで知り合ったのか?会ってた期間は?頻度は?色々気になったが所詮パパ活。本気になるのはタブー。少し冷静になって詮索するのはやめた。
「そうなんですね…ちょっとお手洗い行ってきます」
「転ばないように気をつけてな」
足がふらふらする。
普段お酒を飲まないのに一気に飲み過ぎた。
頭もぼーっとする。
私は便座にすこし座り込んだ。
夢の中にいるような感覚だった。
社長とパパ活、、、、、、、
私これからホテルいくのかな?
でも、食事だけのパパ活もあるって聞くし、、、、
ドキドキドキドキドキドキ
はぁ、、、戻ろう、、、
手を洗い、顔と髪を入念にチェックし個室に戻った。
ガラっ
「遅かったな。大丈夫か?」
「はい….」
「そろそろ行くか」
「そうですね」
2人目、、2人目、、2人目、、
頭の中で想像してしまう。
どんな女性なんだろう。年齢は?
なんでこんなに気になるんだろう。
きっとお酒のせい。
頭も痛くなってきた、、、
お会計を済ませてお店を出た。
上司と部下の秘密~アブノーマル調教~ 第一章:出会い(2)